クラリティ法案、9月15日に審議入り採決へ|ETHが10日ぶり高値 — 8月9日
2026-08-09
予測市場が示す市場心理
詳細 →BTC、8月中に$67,500到達
参加者の意見が二分 — 市場は方向感を探っている
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米上院がクラリティ法案の日程を公表し、審議再開の時期がようやく数字で見えた。ただし予測市場が織り込む年内成立の確率は20%台で、依然として「成立しない」側に賭ける参加者のほうが圧倒的に多い。相場は7日の米雇用統計の下振れを消化し、イーサリアムが1,942ドルと10日ぶりの高値を付けた一方、ビットコインは1,020万円台で足踏みが続いている。規制側ではブラジル中銀が送金にあえて遅延をかける手法を打ち出し、日本の出庫制限強化と同じ方向を向き始めた。
- 米上院、クラリティ法案の審議入り動議を米東部時間9月15日14時15分から採決可能と公表
- Polymarketの年内成立確率は20.5%へ約5ポイント上昇、ただし水準としてはまだ2割
- ETHは1,942ドルで10日ぶり高値、BTCは週初の980万円から1,020万円台へ戻すも上げ渋り
- 米現物ビットコインETFは5営業日連続で純流入、合計8億5,350万ドル
- ブラジル中銀、1万ドル超の海外事業者・自己管理ウォレット宛て送金に最大24時間の遅延を義務づけ
クラリティ法案、9月15日に審議入りの採決が可能に
米上院は8月8日、暗号資産の市場構造法案であるクラリティ法案について、本会議での審議入り動議に対するクローチャー動議を米東部時間9月15日14時15分(日本時間16日3時15分)から採決可能とする日程を公表した。上院は9月14日に通常会期を再開する予定で、休会明けすぐに手続きへ入る形になる。
ここで押さえておきたいのは、9月15日に採決されるのが法案の最終可決ではないという点だ。クローチャー動議は討論を打ち切って審議に入るための手続きで、可決には在職議員の5分の3、通常は60票が必要になる。つまり本会議で法案を議論するテーブルに着けるかどうかを決める段階であり、そこを通っても成立まではさらに段階が残る。
党内の温度差も残っている。ルミス上院議員は今回の先送りを受けても推進を続けると表明した一方、ウォーレン上院議員は暗号資産業界が自らの利益を守るための立法ではなく、必要な規制の整備こそ優先されるべきだと主張している。トランプ大統領の関連資産の扱いも論点として残る。
Polymarketの年内成立確率は日程公表を受けて20.5%へ約5ポイント上昇したが、依然として8割近くが不成立側に張っている。日程が決まったこと自体は前進でも、市場は60票の壁を軽く見ていない。
ETHが10日ぶり高値、BTCは1,020万円台で上げ渋り
7日発表の米7月雇用統計は、非農業部門雇用者数が2万3,000人減と、8万〜9万5,000人増という市場予想から符号ごと反転した。失業率は4.2%から4.1%へ低下し、平均時給は37.62ドルと前月から2セント増えている。労働市場の減速を示す内容として受け止められ、追加利上げ観測が後退した。
これを受けてイーサリアムは1,942ドルまで上昇し、10日ぶりの高値を付けた。8月第1週にステーブルコインの供給が約7億ドル増えて1,567億ドルに達したことも、買い余力として意識されている。一方のビットコインは週初の980万円から1,010万円を経て1,020万円周辺まで戻したものの、そこから上値は重い。資金フロー面では、米現物ビットコインETFが5営業日連続で純流入となり合計8億5,350万ドル、イーサリアムETFにも2億4,490万ドルが入った。
ただし利上げ観測が消えたわけではない。FF金利先物市場は9月会合での利上げを約55%、据え置きを約45%織り込んでおり、ウォーシュFRB議長は8月にインフレが再加速すれば9月FOMCで利上げに踏み切る準備があると発言している。8月12日発表の米CPIが目先最大の分岐点になる。
雇用の弱さと利上げ警戒が同時に効いている状態で、上下どちらにも振れやすい。予測市場は8月中のBTC 6万7,500ドル到達を57.5%、6万ドルまでの下落を30.5%と見ており、方向感はまだ定まっていない。
ブラジル中銀、1万ドル超の送金に最大24時間の遅延を義務づけ
ブラジル中央銀行は8月7日、詐欺対策として一部の暗号資産送金に最大24時間の遅延を義務づける新規則を公表した。対象は海外の暗号資産事業者または自己管理ウォレット宛ての送金で、1回の送金額または同一顧客の1日の送金総額が1万ドルを超える場合に適用される。施行は来年を予定している。
狙いははっきりしている。ステーブルコインを含む暗号資産は、詐欺で得た資金を短時間で国外へ移す手段として広く使われるようになった。着金までの時間を強制的に空ければ、被害者や当局が気づいて止められる余地が生まれる。裏を返せば、正当な利用者にとっては「送ったのにすぐ届かない」という不便を受け入れることになる規制でもある。
同じ発想は日本にもある。金融庁と警察庁は8月上旬、暗号資産交換業協会に対して出庫制限の強化を含む11項目の詐欺対策を要請した。送金の即時性という暗号資産の長所を、被害拡大を止めるためにあえて削るという手法が、複数の国で同時並行に採用され始めている。
国内取引所から外部ウォレットへ送る前提で運用している人は、施行済み・検討中の出庫制限で想定より時間がかかるケースを織り込んでおきたい。急ぎの送金ほど余裕を持ったスケジュールが要る。
JPYCのオンチェーン流通額が26億円を突破
日本円ステーブルコインのJPYCについて、オンチェーン流通額が26億円を超えた。7月時点で20億円を突破してから短期間で積み上がっており、決済や送金だけでなくDeFiでの利用を想定する段階に入りつつある。
もっとも、流通額が増えることと実際に使える市場ができることは別の話だ。エックスウィンの試算では、JPYC/USDCペアが個人・法人の1,500万円前後の交換をこなすには100万ドル規模の流動性が必要とされる。さらに数千万円規模のVaultへの入出金や企業の資金移動に対応するには300万〜500万ドル、レンディングや担保利用、大口清算、オンチェーンでの円建て取引まで広げるには800万〜1,000万ドル規模が要るという段階的な整理が示されている。初期の市場形成段階では10万〜30万ドルが目安とされており、現状はまだその延長線上にある。
円建てステーブルコインを「使える」と評価するには、発行残高ではなく交換ペアの厚みを見る必要がある。数百万円単位で滑らずに交換できるかどうかが、実務で効いてくる分かれ目になる。
ロシア当局、モスクワで違法交換所9カ所を摘発
ロシア当局は8月7日、モスクワのビジネス街モスクワ・シティで違法な暗号資産交換所9カ所を摘発し、20人以上を拘束したと発表した。当局によれば、これらの交換所は市民に暗号資産を販売したうえで、その資金をウクライナ拠点の指示役の口座へ送金する経路として使われていた。CoinDeskも同日、無登録の交換所に対する取り締まりとして同件を報じている。
構図としては、詐欺で集めた資金を国外へ持ち出す出口として無登録の交換所が機能していたことになる。登録を受けた事業者であれば本人確認や資産の分別管理、取引記録の保存が義務づけられるが、無登録の交換所にはそれがない。いったん資金が流れ込めば、経路をたどること自体が難しくなる。
交換業者が登録を受けているかどうかは、手数料や取扱銘柄より前に確認しておきたい基礎条件にあたる。日本国内であれば、金融庁の暗号資産交換業者登録一覧で名称を照合できる。
AIによるビットコイン関連コードの脆弱性探索が本格化
有志のセキュリティチームであるBitcoin Red Teamが、複数の最新AIモデルを使ってビットコイン関連の約150リポジトリを走査し、10件以上の脆弱性を開示したことを明らかにした。対象はウォレット、暗号ライブラリ、インフラ周りに及ぶ。AnchorWatchのロブ・ハミルトン氏と匿名開発者のCalle氏らが主導しており、AI利用料としてこれまでに約2万ドル、足元では1日あたり1万ドル規模を投じているという。
チームはビットコインソフトウェアの監査を自動化するオープンソースのAI基盤を開発中で、人力では手が回らなかった周辺リポジトリまで監査の網を広げることを狙う。ビットコイン本体のコードは長年の検証を経ているが、ウォレットや周辺ライブラリはそこまでの目が入っていないものも多い。
ただし同じ手法は攻撃側も使える。Coldcardの脆弱性を突いた流出が続いた直後というタイミングを踏まえると、防御側が先に見つけて塞げるかどうかの競争という性格が強い。
ハードウェアウォレットや周辺ツールのファームウェア更新通知は、後回しにせず内容を確認したい。修正が公開された時点で、未更新の端末は攻撃者にとって既知の標的になる。
ソース
クラリティ法案、9月15日に審議入りの採決が可能に
ETHが10日ぶり高値、BTCは1,020万円台で上げ渋り
ブラジル中銀、1万ドル超の送金に最大24時間の遅延
JPYCのオンチェーン流通額が26億円を突破
ロシア当局、モスクワで違法交換所9カ所を摘発
AIによるビットコイン関連コードの脆弱性探索が本格化