BTC現物ETFに10億ドル流入、4月以来最大|金商法移行に業界の危機感 — 8月10日
2026-08-10
予測市場が示す市場心理
詳細 →BTC、8月中に$62,500まで下落
参加者の意見が二分 — 市場は方向感を探っている
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ビットコインは8月10日12時時点で6万5,016ドル、日本円で約1,028万円と、24時間で0.4%ほど水準を切り上げた。ただし上値は重く、いま相場を動かしているのは価格そのものよりも「誰が買い、誰が売っているか」という資金の出入りだ。米現物ETFには4月以来最大の資金が入る一方、オンチェーンではマイナーとみられる大口が3週間かけて売りを出し続けている。
規制まわりでは、日本の金商法移行を前に国内業界から競争条件への懸念が表面化した。海外では北朝鮮系ハッカーへの民事訴訟、ビットコインの分岐失敗と、いずれも「ルールを誰がどう決めるのか」に関わる話題が並んでいる。
- 米BTC現物ETFに週約10億ドル、4月以来最大の流入。ETH現物ETFも約2億4,490万ドルで同じく4月以来最高
- マイナーとみられるクジラが3週間で7,513BTC、約4億8,700万ドル相当をBinanceへ入金
- 国内取引高は世界の約0.4%、国内交換業者の約9割が赤字と指摘され、金商法移行の負担が論点に
- BIP-110を支持するチェーンは8時間で2ブロックのみ採掘、本流に約80ブロック遅れて停止
ETFに4月以来最大の10億ドル、一方でクジラは7,513BTCを売却
BloombergのETFアナリスト、Eric Balchunas氏が8日にXへ投稿した集計によれば、米ビットコイン現物ETFには先週約10億ドル、日本円で約1,600億円が流入した。4月以来最大の週で、昨年10月以降では3番目に良い水準にあたる。同氏は、7月30日に公表されたハードウェアウォレット「Coldcard」の問題で約1億1,600万ドル相当が盗まれたことがセルフカストディの責任論を呼び、結果として現物ETFの相対的な魅力を押し上げた可能性を指摘している。事件以降、BlackRockのIBITやFidelityのFBTCへ日次で流入が続いているという見方だ。Coldcardの影響を受けないイーサリアム現物ETFも約2億4,490万ドルの流入を記録し、こちらも4月以来最高となった。
ただ需給の片側だけを見ると判断を誤る。オンチェーン分析のlookonchainは、マイナーとみられる大口ウォレットが過去3週間でBinanceへ合計7,513BTC、約4億8,700万ドル相当を入金したと指摘した。前日時点の集計は6,494BTCだったため、この24時間だけで1,000BTC超が上乗せされた計算になる。Whale Alertも同じ時間帯に1,019BTC、約6,641万ドルのBinance入金を検知している。取引所への入金は必ずしも即売却を意味しないが、供給側の圧力として意識されやすい。なお、アークインベストのキャシー・ウッドCEOは9日、雇用統計を受けても景気認識は強気だとして、デフレ懸念やドル指数、原油安を挙げつつビットコインとステーブルコインに言及している。
ETFという制度的な買いと、マイナー由来とみられる継続的な売りが同じ価格帯でぶつかっている状態が続く。どちらの流量が先に細るかが、当面のレンジ突破を占う手がかりになりそうだ。
金商法移行を前に、国内業界から「規制を守る者ほど不利」の声
暗号資産規制を資金決済法から金融商品取引法へ移す改正法は7月15日に可決・成立し、7月23日に公布された。暗号資産関連の規定は公布日から1年以内の政令で定める日に施行される。柱は、無登録業者への対応強化、情報公表規制の整備、コールドウォレット管理や責任準備金といった業規制の強化、そしてインサイダー取引規制の創設の4点だ。申告分離課税の20%は、改正金商法が施行された年の翌年1月1日以降に適用が始まる予定とされる。
施行を前に、7月22日に四谷のTokyo Bitcoin Baseで開かれた討論では、金融審議会座長を務める上智大学の森下哲朗教授と、ジョージタウン大学研究教授の松尾真一郎氏が登壇し、国内事業者の置かれた状況が論点になった。国内登録業者が規制対応コストを負担する一方、海外の無登録業者やDEXはその負担を負わない。国内取引高は世界の約0.4%にとどまり、国内交換業者の約9割が赤字とされる環境で、利用者が海外サービスやセルフカストディへ流れる懸念が示された。松尾氏は、ビットコインが中央管理者なしで価値交換できる一方、マネロン・テロ資金供与対策には元来対応していなかったと整理している。
投資家保護の枠組みが整うことと、国内事業者が生き残れる競争条件が両立するかは別問題だ。政令で定まる施行日と、そこに至るまでの制度設計の細部が実務上の焦点になる。
Bybit、2,200億円流出で北朝鮮とラザルスを米地裁に提訴
暗号資産取引所のBybitは8月7日、2025年2月21日に発生した大規模流出事件をめぐり、米コロンビア特別区連邦地方裁判所に民事訴訟を提起したと発表した。被告は北朝鮮、同国の偵察総局、そしてハッカー集団のラザルス・グループで、あわせて盗難資金を保持・移動させている第三者に対する仮差押命令も取得している。被害額は約40万1,000ETH、当時のレートで約15億ドル、日本円で約2,200億円相当と、業界史上最大規模だ。
回収は限定的に進んでいる。Bybitが直接回収した額は約4,840万ドル、28社以上の取引所やカストディアンとの連携で3,050万ドル超の資産凍結に成功したとされる。とはいえ被害総額に対する比率は小さく、混合サービスを経由した資金の追跡がいかに難しいかを示す数字でもある。
国家主体を被告に据えた訴訟の実効性には限界がある一方、資金の受け皿となる第三者へ法的圧力をかける狙いは明確だ。凍結の網が広がるほど、盗難資金の換金コストは上がっていく。
GMOコインがASTRの入出庫を停止、SBIは日韓の決済網構想
GMOコインは8月10日、アスター(ASTR)の預入と送付で不具合が発生しているとして、受付を一時停止したと公式サイトで告知した。再開時期は改めて知らせるとしており、受付停止の前後に行われた預入・送付は再開後に順次反映される。ASTRを保有し外部ウォレットとやり取りする予定がある場合は、再開告知が出るまで入出庫の予定を組み直しておきたい。
同じ国内勢では、SBIホールディングス傘下のSBIデジタルプラクティスが8月7日、韓国のNodeinfraと基本合意書を締結したと発表している。金融機関向けブロックチェーンのCanton Network上で「Musubi」と名付けたプロジェクトを進め、円建てステーブルコインとウォン建て・米ドル建てステーブルコインを使い、双方の支払いを同時に成立させる仕組みを構築する構想だ。SBIが日本の既存金融システムとの接続部分を、Nodeinfraが中核システムの開発と韓国側の規制対応を担う。当面は日韓に限定し、将来的に対象通貨や国・地域、資産の種類を広げるとしている。
前者は日常の入出庫に直接響く運用トラブル、後者は数年単位のインフラ整備という時間軸の違う話だが、いずれも「ステーブルコインと既存金融をどうつなぐか」という同じ課題の別の断面にある。
ビットコインの「アンチスパム」フォーク、2ブロックで停止
ビットコインは8月8日、ブロック高961,632でBIP-110を支持するチェーンが分岐した。BIP-110は、およそ1年間の限定期間を設けて、OrdinalsやRunes、BRC-20といった金融取引以外の任意データをブロックチェーンへ記録することを制限する提案だ。支持者はノード運用の負担増や手数料高騰を問題視していた。
しかし結果は振るわなかった。直近2週間で支持を表明したブロックは全体の2.53%にとどまり、分裂を避けて発動するために必要とされた55%には遠く届かない。分岐時点の支持は約0.15%で、99.85%のハッシュレートは本流に残った。分岐チェーンは8時間で2ブロックしか生成できず、日曜早朝には本流に約80ブロック遅れて事実上止まった。マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏は、セキュリティ・実用性・資本・ユーザーが伴わなければフォークに意味はなく、コンセンサスは宣言するものではなく獲得するものだと述べている。批判側は、マイナーやノード運用者が取引内容を取り締まる前例をつくること自体が検閲耐性を損なうと指摘した。
スパム論争は決着していないが、少なくとも「合意なきルール変更は通らない」ことは実地で確認された。議論はチェーン分裂ではなく、手数料設計やノード側のポリシーへ場所を移していく可能性が高い。
サムスン、年内にウォレットへステーブルコイン機能
サムスン電子は、2026年中に一部の国からSamsung Walletへステーブルコインの口座開設・海外送金・決済の各機能を段階的に導入する方針を示した。米暗号資産媒体サンドマークの取材に書面で回答したもので、7月のGalaxy Unpacked 2026で構想を示して以降、導入時期に初めて言及した形になる。同イベントでは、ウォレット画面に1,500USDC相当の残高と送金・受取・入金のボタンが並ぶデモが公開されていた。
もっとも、初期の対象国、対応するステーブルコインの種類、具体的な提供時期はいずれも明らかにされていない。米国でのコインベースとの既存提携は言及されているが、対応銘柄が確定したわけではない点には注意が必要だ。
スマートフォンの標準ウォレットに送金機能が載れば、取引所を経由しない決済の入り口が一気に広がる。日本での提供有無と、資金決済法上どの枠組みで扱われるかが次に見るべき論点になる。
ソース
BTC現物ETFに10億ドル、クジラは7,513BTC売却
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