BTCが8万1,000ドル台に反発、FRB据え置き示唆|大手21行がドル建てステーブルコイン発行へ — 9月4日
2026-09-04
予測市場が示す市場心理
詳細 →BTC、9月中に$75,000まで下落
参加者の意見が二分 — 市場は方向感を探っている
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Polymarket参加者の売買に基づく予想確率。予測市場トラッカーで詳細を確認。
9月4日の暗号資産市場は、金利観測の反転が一日で相場を塗り替えた。米国のイラン攻撃を受けて9月2日に7万6,500ドルを割り込んでいたビットコインは、ウォラーFRB理事が利上げの据え置きを支持しうると述べたことで8万1,000ドル台まで戻し、4億ドルを超えるショートが焼かれた。規制面では、上院採決を控えるクラリティー法案が下院の会期短縮で年内成立を危ぶまれる一方、無期限先物と銀行系ステーブルコインという制度的な動きが同時に前進している。国内では顧客情報の流出と無登録業者への警告が重なった。
- ビットコインは9月4日12時時点で8万963ドル、24時間で4.2%高。CME FedWatchの9月利上げ確率は63.2%から50.4%へ低下
- CoinGlass集計で24時間の清算は5億ドル超、うちショートが4億1,500万ドル超
- ゴールドマン・サックス、シティ、三菱UFJ銀行など21社がドル建てステーブルコインの共同発行会社を設立へ。2027年前半の発行開始を目標
- スイスのポケットビットコインが計5,411人分の顧客情報流出を公表。うち291人は身分証明書の写しも対象
ビットコインが8万1,000ドル台へ、4億ドル超のショートが清算
きっかけは、ウォラーFRB理事が9月3日のロイターNEXTのインタビュー向け原稿で、インフレ指標の改善が続くなら政策金利の据え置きを支持する方向に傾くと述べたことだった。CME FedWatchが示す9月15日から16日のFOMCでの利上げ確率は前日の63.2%から50.4%へ低下し、2023年11月以来の高水準を付けていた米10年債利回りも4.73%程度まで下がった。
値動きは金利観測の変化をそのまま増幅した。CoinGlassの集計では24時間の清算額が5億ドル超、うち4億1,500万ドル超がショートで、買い戻しを迫られた売り方がさらに価格を押し上げた。9月4日12時時点でビットコインは8万963ドルの24時間4.2%高、イーサリアムは2,513ドルの4.6%高、XRPは1.45ドルの6.0%高、暗号資産全体の時価総額は約2兆7,380億ドル。一方で8月のビットコインは25%高となりながらオンチェーンの取引件数は半年ぶりの低水準まで落ちており、価格とネットワーク活動の乖離を指摘する声もある。
主導権は地政学から金利見通しへ移っている。今回の戻りは金利観測の反転を織り込んだ動きであって、オンチェーンの需要回復を示すものではない点は分けて見ておきたい。
クラリティー法案、下院の会期短縮で年内成立に暗雲
米下院の共和党指導部は9月3日、11月3日の中間選挙を前に9月会期の最後の2週間を取りやめると所属議員に通知した。上院は9月14日に審議を再開し討論を打ち切る手続き投票を15日に予定しているが、下院が17日前後に議会を離れるため、上院を通過しても下院で再度採決する時間はほとんど残らない。次の下院採決日は中間選挙6日後の11月9日で、法案の行方は選挙後の会期に持ち越される公算が大きい。
下院は2025年7月に旧バージョンを294対134で可決済みだが、上院通過には民主党から約7人の賛成が要る。政府高官の暗号資産保有をめぐる倫理規定、資金洗浄・違法金融対策、DeFiの投資家保護といった論点は未解決のままだ。SECのアトキンス委員長は9月2日、法案を大統領の署名まで送るべきだとX上で表明した。予測市場でも成立確率は低く、Polymarketの「クラリティー法案が2026年中に成立するか」は9月4日12時時点で17.5%、流動性は約61万8,000ドルと厚い。
市場構造ルールの空白が続けば、どの資産が証券でどの資産が商品かという線引きは個別の執行と訴訟で決まり続ける。日本の利用者にとっては、米国発の商品が国内に届くまでの時間軸がさらに読みにくくなる。
無期限先物の主戦場が米国内へ、コインベースが単一株perpsをSECに届出
コインベースは、米国内で個別株に連動する無期限先物を提供するためSECへの届出登録を行ったと発表した。最高政策責任者のファリヤー・シルザド氏は株式の無期限先物は海外で需要が実証されていると述べ、次段階にCFTCの承認取得を挙げている。同社は2026年3月からアップルやエヌビディアなどを対象に米国外で提供しており、今回はその国内展開にあたる。
制度面の後押しも重なった。CFTCは、暗号資産の無期限先物の承認をめぐるCMEの訴訟について、CMEが具体的な財務的損害を立証しておらず同種の商品を自ら提供できるとして却下を求めた。争点は無期限先物を「先物」と「スワップ」のどちらに分類するかで、判断はまだ出ていない。RWAトークン化のオンド・ファイナンスは新カテゴリーを設けずとも既存の証券先物規制で対応できると両当局に提言し、予測市場のポリマーケットも暗号資産・株式・コモディティを対象に10銘柄の無期限先物を開始している。
海外に流出していたperps取引を米国内の規制下へ引き戻す流れが、当局・取引所・DeFiの三方向から同時に進んでいる。なおポリマーケットの無期限先物は日本からは利用できず、国内で暗号資産交換業の登録を受けていない事業者のサービスは資金決済法などによる利用者保護の枠外にある。
大手21行がドル建てステーブルコインを共同発行へ、三菱UFJ銀行も参加
ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカ、シティを中心とする21の銀行・運用会社が9月1日、ドル建てステーブルコインを発行する共同会社の設立で合意した。会社設立は2026年後半、発行開始は2027年前半が目標で、クロージング条件が残る。参加社は2025年10月に公表された10行の検討枠組みから倍増し、北米・欧州・東アジア・中東・アフリカの5地域に広がった。東アジア枠では三菱UFJ銀行が名を連ねている。
発行されるトークンは中央銀行の債務であるCBDCとは性格が異なり、民間会社の債務を銀行自身の準備資産で裏付ける形になる。米国では2025年1月にトランプ大統領が連邦機関によるCBDCの開発・発行を禁じ民間のドル連動ステーブルコインを支持する大統領令に署名しており、今回の構想はその路線に沿う。USDCを発行するサークルの株価は発表当日に約6%下落した。銀行と暗号資産をつなぐ動きは他にも続き、ソーファイとクラーケン親会社ペイワードは、ペイワードがソーファイのドル決済網SENに参加してクラーケンの機関投資家が銀行営業時間外でも米ドル取引を決済できるようにすると発表している。
決済と流動性のインフラを既存の銀行網が握りにいく局面に入った。発行主体が増えるほど、どの発行体の準備資産をどこまで信用するかが利用者側の判断材料になり、ステーブルコインの選択が実質的に信用リスクの選択に近づいていく。
ポケットビットコインで5,411人の情報流出、Xでは大規模な乗っ取り未遂
スイスの認可企業ポケットビットコインは、8月に公表したセキュリティインシデントの調査結果を更新し、計5,411人分の顧客情報が流出していたと明らかにした。同社は購入したビットコインを利用者自身のウォレットへ直接送る方式で顧客資産を預からないが、流出したのはサポート部門に残っていた通信記録だった。うち291人分には氏名、郵送先住所、取引に使ったビットコインアドレス、身分証明書の写しが含まれ、5,120人分には氏名・住所に加えて銀行送金の金額と日付、一部では送金元口座のIBANが含まれていた。
同社は悪用の兆候は確認していないとしつつ、実在する情報が漏れたことで偽の連絡が信ぴょう性を持って見える恐れがあるとして注意を促している。同じ時期、Xでは数十万アカウントを標的としたパスワード復旧攻撃が試みられ、米司法省がXと連携して捜査していることを公表した。攻撃自体は阻止されたが、暗号資産関連の著名アカウントを乗っ取って詐欺投稿を流す手口として知られ、複数のXユーザーが身に覚えのないパスワードリセット要求を大量に受け取ったと報告していた。
資産を預けていない取引形態でも、本人確認まわりの通信記録は残る。カストディの有無と個人情報の露出は別問題だという実例で、当面はメールやDMでの本人確認のやり直しや送金確認を装った連絡を、送信元に関わらず疑ってかかる姿勢が要る。
金融庁が無登録のIzakaya Limitedに警告、国内はサービス再編が続く
金融庁は9月1日、無登録で暗号資産交換業を行う者としてIzakaya Limitedに警告書を発出したと公表した。同社は香港・旺角に所在し、インターネット上で暗号資産取引サービス「IZAKA-YA」を運営して日本居住者を相手方に暗号資産交換業を行っていたとされる。国内で登録を受けていない事業者は、資金決済法などによる利用者保護の対象外となる。
国内事業者側ではサービスの整理が進んだ。ビットポイントは暗号資産の「つみたて」と「ゼロつみたて」を2026年10月の買付分をもって終了すると9月3日に発表しており、SBI VCトレードのVCTRADEへの統合にともなう措置となる。レンディングのSmart Lendingも9月2日、開業から間もない段階でサービス提供方針の見直しを公表した。上場企業ではリミックスポイントが9月1日、保有していたイーサリアム、ソラナ、XRP、ドージコインをすべて売却して暗号資産の保有をビットコインのみに集約。売却額は8億7,881万4,569円、売却益1億1,777万2,649円を2027年3月期第2四半期に計上する見込みで、残る暗号資産は約1,501BTCとなる。
積立や貸暗号資産といった周辺サービスは、統合や方針見直しで入れ替わりが起きやすい。利用中のサービスが終了する場合に資産をどこへ移すかは事前に決めておきたい。無登録業者への警告は繰り返し出されており、口座を開く前に金融庁の登録一覧で確認する手順は変わらず有効だ。
ソース
BTCが8万1,000ドル台へ、4億ドル超のショート清算
クラリティー法案、下院の会期短縮で年内成立に暗雲
無期限先物が米国内へ、コインベースがSECに届出
大手21行がドル建てステーブルコインを共同発行へ
ポケットビットコインで5,411人の情報流出
金融庁が無登録のIzakaya Limitedに警告書