ECB総裁、バイナンスのMiCA認可に介入か|BTCは8万ドル台で足踏み — 9月20日
2026-09-20
予測市場が示す市場心理
詳細 →ETH、9月中に$2,700到達
参加者の意見が二分 — 市場は方向感を探っている
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週末の相場は方向感を欠き、材料は制度面に偏った。WSJは欧州中央銀行のラガルド総裁が個人的に動き、バイナンスのMiCA認可を止めたと報じ、欧州の監督権限をめぐる綱引きが表に出た。米国では個別株の無期限先物をめぐる申請が相次ぎ、株式とデリバティブの境界が暗号資産の側から崩されつつある。国内では連休中にATOMとAVAXの入出金が止まる日程が出そろった。
- BTCは9月20日12時11分時点で約8万426ドル、24時間で約1.1%安
- 上場企業のBTC純購入は直近3か月で約5,900BTC、2025年7月ピークの約15分の1
- BTC現物ETFの9月14〜18日の週次純流入は621万ドルで141週ぶりの低水準
- カルシは最大58銘柄の個別株無期限先物を申請、最低証拠金は想定元本の約15.5%
ECB総裁、バイナンスのMiCA認可に介入か
WSJは9月18日、ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁が個人的に介入し、バイナンスのMiCA認可取得を止める方向で動いたと報じた。申請はギリシャ資本市場委員会を通じて進められ、5月下旬までに手続きは完了したとの報告を受けていたが、同社は6月24日に申請を取り下げている。ギリシャの規制当局幹部はバイナンス側に、ラガルド総裁が判断の先送りを望んでおり、ESMAへの監督権限移譲改革が実現するまで結論を出さない方針だと説明したという。
MiCAの認可権限を持つのは各加盟国で、ECBに正式な権限はない。それでも介入が可能だったとされる背景には、ドル建てステーブルコインの利用拡大がデジタルユーロの普及を妨げるというECBの警戒がある。バイナンスは2023年に米国の刑事事件で有罪を認めており、マネーロンダリング対策や制裁規制の違反歴も判断材料になったとみられる。同社は未認可のまま「リバース・ソリシテーション」の例外規定を根拠に一部のEU顧客へのサービスを続けており、報道については「憶測にはコメントしない」との立場だ。なお今回の報道はEU域内の認可手続きに関するもので、日本国内の登録業者の営業とは別の話である。
加盟国ごとの認可判断を欧州レベルで事実上覆せるのかどうかは、MiCAという制度の信頼性そのものに関わる。ESMAへの権限集約をめぐる議論が、来年以降の欧州の暗号資産規制の形を決めることになりそうだ。
ビットコインは8万ドル台、企業の平均取得価格が壁に
CoinGeckoによると、BTCは9月20日12時11分時点で約8万426ドル、日本円で約1,261万円、24時間の変動率は約1.1%安。同時点でETHは約2,581ドルで約1.7%安、SOLは約108ドルで約4.7%安、XRPは約1.38ドルで約2.5%安と、下げはアルトコインの方が大きい。
上値の重さには具体的な根拠がある。Glassnodeが9月16日に公表したデータでは、上場企業によるBTCの純購入量は直近3か月で約5,900BTCにとどまり、2025年7月のピークだった約8万9,000BTCの15分の1程度まで落ち込んだ。同社は企業の平均取得価格を約8万500ドルと算出しており、いまの価格帯はちょうどこの水準に重なる。買い増しが再開するか、含み損を嫌って売りが出るかの分岐点に相場が居座っている格好だ。
ETFの資金の読み方も難しい。9月18日はBTC現物ETFに4.33億ドル、ETH現物ETFに1.44億ドルの純流入が入ったが、9月14日から18日の週で見るとBTC現物ETFの純流入は621万ドルにとどまり、141週ぶりの低水準だった。売買の総額は約14.99億ドルに達しているので、動いていないのではなく、9月15日に4.50億ドル、16日に2.96億ドルが抜けた分を金曜に取り戻して差し引きゼロに近づいた、というのが実態になる。
bitbankの長谷川氏は9月20日公開の週次レポートで、FOMCが25ベーシスポイントの利上げを決め、ドットプロットで年内あと1回の追加利上げと来年の利下げ予想の消滅が示されたことを「想定以上にタカ派」と評価している。ただし同レポートの相場分析は9月18日正午時点のもので、その後の8万ドル台回復は反映されていない点には注意がいる。
企業もETFも、買い越しに転じたとまでは言い切れない状態が続いている。8万500ドル前後を明確に上抜けられるかどうかが、次の資金が入る条件になりそうだ。
個別株の無期限先物、コインベースとカルシが申請
コインベース傘下のデリバティブ取引所と、予測市場のカルシが、9月18日前後に相次いで個別株の無期限先物を米当局に申請した。カルシは最大58銘柄分の取引ルールを提出しており、上場の条件は時価総額1,000億ドル以上、1枚あたり100株、最低証拠金は想定元本の約15.5%で、6倍程度のレバレッジに相当する。コインベース側は約50〜60銘柄で、アップルやテスラ、エヌビディアが対象に含まれる見込みだ。
原資産が株式である以上、CFTCとSECの両方に管轄がかかる。数十年前に結ばれたシャッド・ジョンソン協定の解釈が論点になるほか、CMEグループは無期限先物の規制枠組みそのものに異議を申し立てている。シタデル・セキュリティーズは、SECの監督が及ばない市場ができるとして反対の姿勢を示した。米国内で株式の無期限先物が上場した前例はまだない。
周辺のデータも同じ方向を向いている。CryptoRankによると、トークン化株式の時価総額は35億ドルに達し、チェーン別ではBNBチェーンが10億ドル、イーサリアムが7.54億ドル、ソラナが6.79億ドルと続く。過去30日でトークン化株式関連のTVLを最も増やしたのはUniswapで、V4とV3の合計で8,280万ドルの増加だった。
クラリティ法案が止まった分、制度は法律ではなく当局の裁量と事業者の申請で動いている。承認されれば米国初の株式無期限先物になるだけに、CFTCの判断がそのまま前例として残る。
暗号資産インフラHaruko、読み取り専用APIから流出
ロンドンを拠点に、ヘッジファンドと取引所の間でポートフォリオやリスク、取引データを扱うHarukoが標的型攻撃を受けた。CoinDeskが9月18日に報じた。共同創業者でCTOのAdam Carlile氏によると、攻撃者は社内プロセスの不具合を突いてそのプロセスのメモリからユーザーアクセストークンを抜き取り、顧客の読み取り専用の取引所API情報と取引履歴を入手した。
影響を受けたのは15社で、いずれもIPホワイトリストを設定していない顧客だった。一部の顧客からは、少額ながら資金も盗まれている。同社は脆弱性を修正してサーバー側のシークレットを再発行したうえで、受信IPのホワイトリスト設定が最大の防御になると顧客に案内した。背景として、2026年上半期のハッキングは207件と前年同期の83件から倍増し、被害額は9.72億ドルに達している。
読み取り専用のAPIキーでも、取引履歴やポジションは丸ごと見えてしまう。取引所のAPIを使うなら、権限を絞るだけでなくIP制限まで設定しておきたい。
国内取引所、ATOMとAVAXの入出金停止が連休に集中
bitbankは9月18日、Cosmosネットワークのアップデートが9月21日頃に予定されているとして、ATOMの入出金を9月19日17時頃から9月22日17時頃まで停止すると告知した。GMOコインも9月19日に、ATOMの預入と送付の受付を9月21日10時から9月22日8時まで止めると発表している。同じ銘柄でも停止のタイミングと再開時刻は取引所ごとに違う。bitbankは続けて、Avalancheのアップデート(9月23日頃)に伴いAVAXの入出金を9月22日17時頃から9月24日15時頃まで停止する予定だ。
チェーン側の事情による銘柄の移行もある。OKJは公式Xで、Liskチェーンの廃止に伴いイーサリアムチェーン上のLSKへ対応すると案内した。預かり中のLSKは同社側で移行するため、顧客の操作は不要としている。Liskチェーンは2026年10月31日に終了する予定で、OKJはLSKの販売所と積立を9月14日15時30分から停止したままだ。なおbitbankは、米OFACが指定したイランの暗号資産取引所に関する海外報道で自社ロゴが使われた件について、一切関係がないとする声明を出している。
連休をまたいで送金が止まる期間が、銘柄ごとにも取引所ごとにもずれている。ATOMやAVAXを取引所間で動かす予定があるなら、各社の告知で停止時刻を確認してから動かしたい。
グレースケールのZcash ETFが3対1分割へ
グレースケールが手がけるZcash ETF(ZCSH)は9月18日、3対1の株式分割を行うと発表した。基準日は9月28日の市場終了時点、追加分の交付は9月29日の引け後で、分割後の価格での取引は9月30日の寄り付き前から始まる見込みだ。1株につき2株が追加されるだけなので保有額そのものは変わらず、1口あたりの価格を下げて少額の投資家が買いやすくするのが狙いとされる。
ZCSHは8月25日にNYSEへ上場した、Zcashを直接保有する世界初のスポットETFだ。上場から1か月足らずで純資産は9億ドル前後まで膨らみ、累計の純流入は2.33億ドルを超えた。
価格の方は過熱と反落が同居している。CoinGeckoによると、ZECは9月20日12時17分時点で約1,460ドルで、30日で約156%高、7日で約29.7%高。ただし24時間では約6.1%安と反落しており、2016年10月に付けた過去最高値3,191ドルに対しては約54%低い水準にある。「最高値更新」と伝える記事も出ているが、それは近年の高値を指したものだ。
上場直後の資金集中と価格上昇が互いを増幅している局面で、分割はその流れの裾野をさらに広げる。ETF経由の買いがどこまで続くかで、ZECの値動きの荒さも変わってくる。
ソース
ECB総裁、バイナンスのMiCA認可に介入か
ビットコインは8万ドル台、企業の平均取得価格が壁に
個別株の無期限先物、コインベースとカルシが申請
暗号資産インフラHaruko、読み取り専用APIから流出
グレースケールのZcash ETFが3対1分割へ