イーサリアムクラシック(ETC)とは
イーサリアムクラシック(ETC)は、2016年の「The DAO」事件をきっかけに、イーサリアム(ETH)から分岐して誕生したブロックチェーン。当時、The DAOの脆弱性を突いた大規模なETH流出が発生し、イーサリアム本体はハードフォークで取引を巻き戻した。これに対し「一度記録された台帳は改変すべきでない(コードが法=Code is Law)」という思想を貫き、巻き戻しを拒否して残った元のチェーンがイーサリアムクラシックである。
技術的にはイーサリアム互換のEVM(イーサリアム仮想マシン)を備えたスマートコントラクト基盤で、手数料(ガス)はETCで支払う。2022年9月にイーサリアムがProof of Stake(PoS)へ移行(The Merge)した後も、ETCはProof of Work(PoW、Etchashアルゴリズム)を維持しており、行き場を失ったGPUマイナーの主要な移行先のひとつとなった。発行枚数は約2億1,070万ETCを上限とし、約5,000,000ブロックごとに報酬を20%削減する「5M20」方式で発行量が逓減していく設計を採る。
価格推移と主要イベント
2018年6月のBinance(USDT建て)上場時は16ドル前後で取引が始まり、2021年5月には月内高値で約180ドルまで上昇して史上最高値圏を形成した。一方で2019年と2020年8月には51%攻撃(マイナーが過半数の計算力を握り台帳を書き換える攻撃)を受け、複数回の大規模なチェーン再編成が発生している。2022年の弱気相場で大きく調整し、2026年6月時点では7ドル前後で推移している。
ETC価格推移と主要イベント(USD)
ETCの将来性のポイント
- イーサリアムがPoSへ移行した後も、ETCはPoWを維持する大規模なスマートコントラクト基盤として独自の立ち位置を持つ
- 約2億1,070万枚の発行上限と逓減型の報酬設計により、長期的な希少性が意識されやすい
- EVM互換のため、イーサリアム向けの開発ツールや資産を流用しやすい
- The Merge以降、PoW向けGPUマイナーの計算力(ハッシュレート)が集まり、ネットワークのセキュリティ基盤を支えている
投資前に知っておきたい注意点
- 2019年・2020年に51%攻撃を複数回受けた履歴があり、PoWチェーンのセキュリティ予算(マイナー報酬)の確保が課題として指摘される
- 2021年高値からの下落幅が大きく、戻り売り圧力が残りやすい
- 開発ロードマップはイーサリアム本体と切り離され、独自のECIPガバナンスで進むため、機能追加のペースは本家より緩やかになりやすい
- スマートコントラクト基盤としては、より大規模なエコシステムを持つ競合チェーンとの競争にさらされている