ステーブルコインとは?仕組み・種類・買い方をわかりやすく解説【2026年最新】

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「ステーブルコインってビットコインと何が違うの?」「USDTやUSDCは安全なの?」と気になっている方が最初にぶつかるのは、種類の多さと専門用語の壁です。ステーブルコインは米ドルや円などの法定通貨に価値を連動させた暗号資産で、市場全体の時価総額は約50.9兆円、USDTとUSDCの2銘柄で約84%を占めます(2026年4月24日時点・DefiLlama)。

この記事では3つの仕組み、主要5銘柄、ビットコインとの違い、メリットと4つのリスク、日本の規制とJPYC・3メガバンクの動き、日本で買える取引所、税金と注意点までを2026年4月時点のデータで整理します。

ステーブルコインとは?3行でわかる結論

ステーブルコインとは、米ドルや円などの法定通貨に価値を連動(ペッグ)させた暗号資産のことです。価格変動の激しいビットコインと違い「1USDT ≒ 1米ドル」「1JPYC = 1円」のように安定した価値を保ち、送金・決済・DeFiの"共通通貨"として世界中で使われています。

用語解説
ペッグpeg

特定の資産(主に法定通貨)に価値を連動させる仕組み。1USDT = 1米ドルを維持するよう設計されています。

ひとことで言うと「価格が安定している暗号資産」

ビットコインは2024年から2026年にかけて1年で2倍近く上下する価格変動がありました。一方でステーブルコインは、設計通りに機能している限り1米ドルから±1%以内に収まるのが基本です。この「安定」がそのまま、送金手段・決済手段・DeFiの資金単位としての使い勝手に直結しています。

2026年4月時点の市場規模は約50兆円

DefiLlamaの集計によると、2026年4月24日時点のステーブルコイン全体の時価総額は約3,189億ドル(約50.9兆円)に達しています。半年前(2025年10月時点の大和総研参照値で約2,800億ドル)から1割超の拡大が続いており、暗号資産市場のなかで「最も利用量が多いカテゴリー」のひとつに成長しました。流通の中心はEthereumとTronで、2チェーン合計で全体の約81%を占めます。

なぜ今ステーブルコインが注目されているのか

ここ数年で注目が一気に高まった理由は、米国・EU・日本の3地域で「ルールがちゃんと整った」ことに尽きます。

まず米国では、2025年7月にステーブルコインを連邦法で初めて位置づけた「GENIUS法」が成立しました。発行体や準備資産の要件が国の法律で明文化され、グレーゾーン扱いから正式な金融商品へと格上げされた形です。

EUでも「MiCA」と呼ばれる包括的な暗号資産規制が2024年に動き出し、まずステーブルコイン部分が6月末から、続いて取引所関連を含む全体が年末から適用されました。EU域内で流通するステーブルコインは、このMiCAの要件を満たしていることが前提になりました。

日本でも、2025年10月に円建てのJPYCが改正資金決済法に基づく正式版としてリリースされ、2026年4月にはシリーズBで累計約46億円の資金調達を済ませています。3メガバンクの共同発行プロジェクトも並走しており、日本円建てステーブルコインが実用段階に入りつつあります。

三大経済圏でルール整備が進んだ結果、2026年は「規制の枠内で安心して使えるステーブルコイン」が各国で出揃いはじめた転換点になりました。

ステーブルコインの仕組み ─ なぜ価値が安定するのか

ステーブルコインが1ドルや1円の価値を保てる仕組みは、大きく3つの方式に分かれます。法定通貨担保型・暗号資産担保型・アルゴリズム型の3類型で、それぞれ担保の取り方が違えば安定性もリスクも変わります。現在の市場では法定通貨担保型が圧倒的多数を占めています。

①法定通貨担保型(USDT・USDC・JPYCなど)

最もメジャーな方式で、発行量と同じ額の米ドル現金や米国短期国債を発行体が担保資産として保有し、それを裏付けに発行します。USDT・USDC・JPYC・PYUSDなどがこの方式で、ステーブルコイン市場の大半を占めています。仕組みが直感的で分かりやすい反面、「本当にその額の担保が存在するのか」という発行体の信用リスクが常に問われます。

用語解説
担保資産reserve / collateral

ステーブルコインの価値を裏付けるため発行体が保有する資産。米ドル現金・短期国債・暗号資産などが使われます。

②暗号資産担保型(DAI / USDS など)

ETHなどの暗号資産をスマートコントラクトに過剰担保(例: 150%)として預け入れ、その範囲内でステーブルコインを発行する方式です。代表銘柄は DAI と、その後継として2024年9月に追加された USDS(Sky Protocol発行)で、中央発行者が存在しないのが特徴です。担保の状況がブロックチェーン上で誰でも検証できる透明性の高さが強みですが、担保資産(ETH等)が急落すると清算リスクが発生します。

2024年8月の MakerDAO → Sky Protocol へのリブランドに伴い、ガバナンストークン MKR は SKY に、ステーブルコイン DAI は USDS にアップグレードされました。DAI も併存しており1:1で USDS にアップグレード可能ですが、2026年に入って国内外の取引所で DAI 取扱を終了する動きが急速に進行しています(詳細は後述「日本で買える取引所」セクション)。

用語解説
スマートコントラクトsmart contract

ブロックチェーン上で「条件が満たされたら自動実行する」プログラム。人の手を介さずに送金や担保の管理ができます。

③アルゴリズム型(TerraUSD等、現在はほぼ淘汰)

担保を持たず、需給とアルゴリズムで1ドルを維持する方式です。2022年5月にTerraUSD(UST)が崩壊して約7.2兆円が1週間で蒸発して以降、この方式はほぼ淘汰されました。詳細は後述のリスクセクションで事例として扱います。

類型代表銘柄担保透明性主なリスク
①法定通貨担保型USDT, USDC, JPYC, PYUSD米ドル現金・国債等発行体の開示に依存発行体の信用リスク
②暗号資産担保型USDS(Sky Protocol、DAI後継)/ DAI(併存中、国内では2026年に廃止続出)ETH等を過剰担保スマートコントラクトで透明担保急落・コード脆弱性
③アルゴリズム型TerraUSD(崩壊)なしデススパイラル

表のとおり、透明性とリスクはトレードオフになっています。法定通貨担保型は仕組みが分かりやすい代わりに発行体を信用する必要があり、暗号資産担保型はコードを信用する代わりに相場変動リスクを負います。

なお近年は、ETH現物とETH永久先物ショートを組み合わせて合成ドルを作る「合成ドル型」(Ethena USDe等)も登場しています。フィアット担保ではない新しい設計で、通常の法定通貨担保型より価格変動幅が大きい点に注意が必要です。

ステーブルコインの関連銘柄一覧 ─ 主要銘柄を徹底比較

2026年4月時点で押さえておきたいステーブルコインの関連銘柄は、時価総額1位のUSDT、2位のUSDC、Sky Protocolの新主力USDS、その前身であるDAI、合成ドルのUSDe、日本初の円建てJPYCです。ペッグ対象通貨と発行主体が異なり、用途や信頼性の評価軸も変わります。このうち USDC・DAI の2銘柄はリアルタイムチャートと取扱取引所を当サイトのトークン詳細ページから確認できます。

銘柄規模(※)ペッグ発行体主要チェーンチャート
USDT時価総額 約1,897億ドル米ドルTether HoldingsTron / Ethereum
USDC時価総額 約779億ドル米ドルCircleEthereum / Solana / BaseUSDCチャート
USDS(DAI後継)時価総額 約82.5億ドル米ドルSky Protocol(旧MakerDAO)Ethereum
DAI(USDSと併存中)時価総額 約44億ドル米ドルMakerDAO / SkyEthereumDAIチャート
USDe時価総額 約39億ドル米ドル(合成)Ethena LabsEthereum
JPYC累計発行額 約21億円日本円JPYC株式会社Ethereum / Polygon / Avalanche

※時価総額はCoinGecko(2026-04-24取得)、JPYCのみ公式ベースの累計発行額(2026-04-15時点)。USDS は2024年9月の Sky Protocol リブランドで追加された新ステーブルコインで、DAI ホルダーは1:1でアップグレード可能。USDS は2026年5月時点で国内取引所での取扱事例なし

銘柄ごとの特徴を順に見ていきます。

USDT(テザー) — 時価総額1位、最も流動性が高い

USDTはTether Holdings(BVI / エルサルバドル拠点)が発行する世界最大のステーブルコインで、海外取引所の基軸通貨として圧倒的に使われています。2026年4月時点の時価総額は約1,897億ドル。2026年1月公表のBDOによるattestation(残高確認書)では、総資産1,928億ドル・超過準備63億ドル・米国債エクスポージャー1,410億ドルと過去最大規模を示しました。ただしこれは伝統的な財務監査ではなく特定時点の残高確認であり、フル監査は未実施である点は押さえておきましょう。

USDC(USDコイン) — 規制対応の優等生

USDCはCircle Internet Financial(米国)が発行するステーブルコインで、時価総額は約779億ドルです。米国の銀行に預ける現金と短期米国債を準備資産としており、毎月の準備資産レポートを公開しています。規制対応で先行しており、国内では2025年3月にSBI VCトレードが取扱を開始しています(同社は国内初の電子決済手段等取引業者としてUSDCを取り扱うと公表)。

DAI/USDS — 中央発行者がいない分散型(リブランド進行中)

DAI は MakerDAO(2024年8月に Sky Protocol へリブランド)のスマートコントラクトが発行する暗号資産担保型ステーブルコインです。ETH などを過剰担保として預けることで発行され、中央発行者が存在しないのが最大の特徴です。

2024年9月のリブランド実施以降、新ステーブルコイン USDS が追加発行され、DAI ホルダーは1:1で USDS にアップグレード可能になっています。DAI と USDS は併存していますが、グローバルでは USDS への移行が進行中です(2026年4月に Binance が DAI→USDS 自動変換を完了、5月4日に Coinbase が DAI 取引停止)。

国内取引所では 2026年に入って DAI 取扱を終了する動きが加速しており、GMOコイン(6月6日サービス終了)・SBI VCトレード(6月3日買付停止)・Binance Japan(4月7日一時終了)が相次いで対応を変更しています。bitFlyer・bitbank・BitTrade・Coincheck・OKJ 等では2026年5月時点で取扱継続中ですが、今後さらに変更される可能性があります(詳細は「日本で買える取引所」セクション)。なお USDS は2026年5月時点で国内取引所での取扱事例なし、bitFlyer・BitTrade・bitbank では旧 MKR の後継であるガバナンストークン SKY の取扱が始まっています。

USDe(Ethena) — 合成ドル型の新興勢力

USDeはETH現物とETH永久先物のショートを組み合わせて合成ドルを作る「デルタニュートラル戦略」で運用される、比較的新しいステーブルコインです。時価総額は約39億ドル。通常の法定通貨担保型と比べると価格変動幅が大きく、2024年10月には一時0.929ドルまで下落しました。仕組みを理解した上級者向けの選択肢です。

用語解説
デルタニュートラルdelta-neutral

現物の買いと先物の売りを同額組み合わせ、相場が動いても損益が相殺されるようにする運用手法。USDeが合成ドルのペッグを維持する仕組みに使われます。

JPYC — 日本初の円建てステーブルコイン

JPYCは日本の改正資金決済法に基づく「電子決済手段」として発行される、日本初の円建てステーブルコインです。2025年10月27日に資金移動業者として正式版がリリースされ、累計発行額は2026年4月15日時点で約21億円、保有ウォレット数は約13.7万件に達しています。常に1円=1JPYCで発行・償還手数料は無料(銀行振込手数料・ガス代は別)、本人確認はマイナンバーカードの公的個人認証に一本化されています。対応チェーンはEthereum・Polygon・Avalancheです。

その他の主要銘柄

ここまで挙げた5種類以外にも、PayPalが発行するPYUSD(約35億ドル)、Ripple発行のRLUSD(約15億ドル)、香港拠点のFDUSDなどがあります。ただし日本の個人が日常的に選択肢として考えるのは、USDT・USDC・DAI(USDSへ移行進行中)・JPYCの4つと考えて差し支えありません。

USDCを日本円で直接買える国内取引所としては、SBI VCトレードが2025年3月にUSDCの取扱を開始しています(同社は国内初の電子決済手段等取引業者としてUSDCを取り扱うと公表)。販売所形式・スプレッド約0.3%で取り扱っています。

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ステーブルコインとビットコインの違い

ここまで読んで「結局ビットコインと何が違うの?」と思った方も多いはずです。ビットコインは値上がり益を狙う"資産"、ステーブルコインは価値を守りながら動かす"通貨"で、役割はむしろ正反対です。両者はどちらが優れているというより、用途が違うと理解するのが正解です。

ステーブルコインとビットコインの価格変動の違い

ビットコインは1年で2倍にも半分にもなりうる価格変動を持ちます。一方でステーブルコインは、設計通りに機能している限り±1%以内の動きに収まります。投資として増やすならビットコイン、決済や送金に使うならステーブルコインという使い分けになります。

使い道の違い(投資 vs 決済・送金)

ビットコインは「デジタルゴールド」と呼ばれるように、長期保有で値上がりを狙う資産としての性格が強い通貨です。対してステーブルコインは、海外送金・DeFiの資金単位・インフレ回避など、"動かす"ことを前提とした決済通貨として設計されています。

発行上限の違い

ビットコインは発行上限2,100万BTCで固定されているため、希少性が価格の根拠になります。ステーブルコインは需要に応じて発行量が増減する設計で、発行体が担保を受け取れば追加発行され、償還されれば消却されます。希少性ではなく「裏付け資産に対する交換可能性」が価値の根拠です。

項目ステーブルコインビットコイン銀行預金(円)
価格安定性高(±1%以内が基本)低(年20〜80%以上の変動)完全(額面固定)
送金速度数秒〜数分約10分(1ブロック)国内即時 / 国際1〜5営業日
送金手数料$1〜$30(チェーン依存)ガス代変動国内220円〜 / 国際3,000〜8,500円+為替スプレッド
営業時間24時間365日24時間365日銀行営業時間(一部24h)
保全発行体の準備資産・スマコンブロックチェーン預金保険1,000万円まで
主用途決済・送金・DeFi価値保存・投資決済・貯蓄

価格安定性・送金速度・保全方法の3軸で見ると、ステーブルコインは「銀行預金の安定性」と「ビットコインの自由度」を掛け合わせた中間的な存在であることが分かります。

なおUSDT単体の将来性や発行体Tetherの準備資産の動向については、個別記事で掘り下げています。

ステーブルコインのメリット

ステーブルコインが世界中で使われている理由は、銀行より圧倒的に速く安い国際送金、24時間動く利便性、DeFiでの利回り運用、インフレ通貨圏での避難先という4つの強みに集約されます。

①国際送金が銀行より圧倒的に速く安い

メガバンクのSWIFT国際送金は、1件あたり3,000〜7,500円の手数料に加えて為替スプレッドが乗り、着金まで1〜5営業日かかります(各行オンライン窓口の参考値・2025〜2026年時点の二次集約)。一方でSolanaやBase・Arbitrum等のL2(レイヤー2)上のUSDC送金なら、手数料は1セント未満〜数セント、着金は数秒〜数分で完了します。Global Xの調査でも、従来型国際送金のコスト率6〜7.8%に対し、イーサリアムL2上のステーブルコイン送金は0.02%とのデータが示されています。手数料と速度の差が、個人・法人を問わずステーブルコインに人が流れる大きな理由です。

用語解説
  • SWIFTSociety for Worldwide Interbank Financial Telecommunication

    世界の銀行同士が国際送金のやり取りに使う共通ネットワーク。日本のメガバンクも国際送金の裏側で利用しています。

  • L2(レイヤー2)Layer 2

    イーサリアム本体の上に乗せる高速・低手数料の補助ネットワーク。Arbitrum・Base・Optimism等が代表例です。

②24時間365日動かせる

銀行振込には営業時間があり、週末・祝日・夜間は翌営業日扱いになります。ステーブルコインはブロックチェーン上で稼働するため、時差や銀行営業日に縛られずにいつでも送金できます。海外取引や越境EC、国際チームへの給与支払いなどで効いてきます。

③DeFiでレンディング利回りを得られる

ステーブルコインをAaveやCompoundなどのDeFiプロトコルに預けると、数%の利回りを得られます。Global Xの参考データによれば、Aave上の借入の約52%、貸出の約25%がステーブルコインで占められており、DeFi経済圏の"基軸通貨"として機能しています(Global X調べ・公開時点明記なし)。ただし日本の税務上、利息の受け取りは雑所得として課税対象となる点に注意が必要です。

④インフレ通貨圏の"避難先"として機能

自国通貨が年率数十%でインフレするアルゼンチンやトルコなどの国では、自国通貨を持つこと自体がリスクです。そのため、米ドル建てのUSDT・USDCが事実上の"デジタルドル"として広く使われています。日本円も世界的に見れば弱含む局面があり、同じ発想でステーブルコインを保有する日本人投資家も増えています。

USDCの規制対応や将来性をさらに知りたい方は、個別記事で整理しています。

ステーブルコインは儲かるのか?利回りと値上がり益の現実

「ステーブルコインで儲けたい」と考える方も多いですが、結論から言えばステーブルコイン自体は値上がり益を狙う商品ではなく、利回り運用と為替差益が現実的な収益源です。ビットコインのような数倍を狙う使い方には向きません。

値上がり益はほぼゼロ ─ 1ドル/1円ペッグが前提

ステーブルコインは設計上1米ドル(または1円)に張り付くため、保有しているだけで価格が上がることはありません。設計通りに動いている限り変動幅は±1%以内に収まり、上振れも下振れも限定されます。値上がり益で資産を増やしたい人にとってステーブルコインは選択肢にならないと考えたほうが現実的です。

DeFiレンディングの利回りは年2〜8%が目安

実質的な収益源として最も使われているのが、Aave・Compound などの DeFi レンディングへの貸出です。Global X のデータでは Aave 上の貸出の約25%、借入の約52%がステーブルコインで占められています。市場全体としても2026年4月時点で米ドル建てステーブルコインの貸出APYはおおむね年2〜8%のレンジに収まります(Aave / Compound 公式ダッシュボード参照値)。国内取引所のレンディング(貸暗号資産)でも提供例があり、最新の利率・条件は各社公式サイトで確認してください。利回り水準は需給で日々変動するため、固定金利商品ではない点に注意が必要です。

ドル建て保有で得られる為替差益(円安局面)

日本円ベースで見ると、米ドル建ての USDT・USDC を保有することで間接的に「米ドルでの資産保有」と同じ効果が得られます。1ドル140円のときに買って160円のときに売れば、為替分の差益が発生する計算です。ただしこれは「儲かる」というより「日本円リスクを米ドルでヘッジしている」状態に近く、円高に振れれば逆方向の損失も発生します。長期での円安継続を見込む場合のヘッジ手段として位置づけるのが妥当です。

「儲かる」を狙うときに気をつけたい3点

  • ディペグリスク: 利回りが取れても元本がディペグで毀損すれば収益は吹き飛びます(後述のリスクセクション参照)
  • 税金: 利回り・為替差益いずれも雑所得として最高55%の累進課税対象です
  • 異常な高利回りは赤信号: 銀行預金や Aave 等の主要 DeFi 大手から大きく乖離する利回りは、補助金・ポンジ・過剰リスクのいずれかで成立しています

ステーブルコインで「儲ける」よりも、まずは「価格変動を避けて持つ」「DeFiで小さな利回りを取る」「円安ヘッジに使う」といった守りの使い方から入るのが現実的です。

ステーブルコインのリスク・デメリット

一方で、「安定」という言葉は絶対の保証ではありません。ステーブルコインには大きく4つのリスクがあり、過去に実際に「安定」が崩れた事例も複数あります。使う前に必ず理解しておくべきポイントです。

①ディペグリスク ─ TerraUSD崩壊とUSDC SVBショック

ディペグはステーブルコインの価値が目標価格から乖離する現象です。最大の事例は2022年5月のTerraUSD(UST)崩壊で、ピーク時時価総額175億ドルのUSTが1週間で0.02ドル付近まで暴落し、姉妹通貨LUNAもピーク119.18ドルから事実上ゼロに沈みました。エコシステム全体で約450億ドル(約7.2兆円)が消失し、創業者Do Kwonは2026年に詐欺罪で15年の実刑判決を受けています。

法定通貨担保型でもディペグは起こります。2023年3月、USDCの発行元Circleがシリコンバレー銀行(SVB)に預けていた33億ドルが一時ロックされ、USDCは0.877ドルまで下落しました。米連邦規制当局が「SVB全預金者保護」を表明したことで3日で1ドルに復帰したものの、DAIも連鎖的に0.882ドルまで下落するなど、影響は広範囲に及びました。

②発行体の信用リスク ─ Tether準備資産の透明性問題

法定通貨担保型の最大の論点は「本当に発行量と同額の担保があるのか」です。USDT発行元のTetherは2021年に米CFTCから「100%準備金保有」の虚偽表示で約4,100万ドルの制裁(姉妹会社Bitfinex分と合算で計約4,250万ドル)を受けています。加えてニューヨーク州司法長官からも別途1,850万ドルの制裁を受けた過去があります。現在はBDOによる四半期ごとのattestation(残高確認書)を公表していますが、これは特定時点の残高確認であり、伝統的な財務監査(audit)ではありません。attestationとフル監査の区別を理解せずに「監査済み」と捉えるのは危険です。

③規制変更リスク

米国のGENIUS法やEUのMiCA規制など、各国でステーブルコイン規制が整備されつつあります。規制の追い風がある一方で、発行者要件を満たさない銘柄は市場から退出を迫られる可能性があります。保有銘柄の発行体が各国規制要件を満たしているかどうかは、長期保有・法人利用を考える上で重要な判断材料です。

④ハッキング・スマートコントラクトリスク

暗号資産担保型やアルゴリズム型では、スマートコントラクトのバグや脆弱性が資金喪失に直結します。中央集権型でも、発行体のウォレットがハッキングされるリスクはゼロではありません。

リスク整理の出発点

  • ステーブルコインは「安定した通貨」ではなく「安定するよう設計されている通貨」です。
  • 過去にTerraUSD崩壊で7.2兆円、USDC SVBショックで一時87.7セントまで下落した実例があります。
  • 発行体の格付け・準備資産の開示状況・規制対応を確認したうえで銘柄を選ぶ姿勢が前提です。

日本におけるステーブルコイン ─ 法制度と最新動向

日本でステーブルコインを理解する上で外せないのが、2023年6月に施行された改正資金決済法と、それを土台にしたJPYC・3メガバンクの動きです。2026年は「日本円建てステーブルコインが本格的に動き出す年」になりつつあります。

改正資金決済法と「電子決済手段」の位置づけ

改正資金決済法ではステーブルコインを「デジタルマネー類似型」と「暗号資産型」に分類し、前者を「電子決済手段」として正式に法定義しました。発行できるのは銀行・資金移動業者・特定信託会社の3類型に限られ、利用者保護と規制の枠組みが明確になっています。暗号資産(いわゆる2号仮想通貨)とは法律上区別される点が重要です。

JPYC ─ 正式版リリースとシリーズB調達の現在地

JPYCは2025年10月27日に資金移動業者として正式版をリリースし、累計発行額は2026年4月15日時点で約21億円に達しています。2026年4月20日にはシリーズBの第2次クローズで28億円を調達し、シリーズB累計は約46億円となりました。投資家にはメタプラネットやNCBVCなどが名を連ねています。銀行振込で発行・JPYC送付で円償還という仕組みで、日本円を持ちながらブロックチェーン上の送金・DeFi利用が可能になる点が大きな意味を持ちます。

3メガバンク共同発行の動き

MUFG・SMBC・みずほの3メガバンクと三菱UFJ信託銀行、Progmatが協力し、円建てステーブルコインの共同発行プロジェクトが2025年11月に正式発表されました。信託型として三菱UFJ信託銀行が発行体となり、Progmatのプラットフォームで流通させる設計です。2025年度内の実用化を目指すと発表されていますが、2026年4月時点で正式ローンチ完了は未確認です。最初の利用者は三菱商事の社内資金決済、将来的には3行合計約30万社の法人顧客への展開を視野に入れています。

トークン化預金との違い

混同されやすい概念に「トークン化預金」があります。SMFGの整理によれば、トークン化預金は発行銀行の口座保有者間でのみ移転可能で、銀行をまたいだ送金には全銀システム等の橋渡しが必要です。一方ステーブルコインは金融機関をまたいで直接送金でき、ブロックチェーンにアクセスできる誰でも使えます。利用範囲の広さがステーブルコインの強みです。

海外(米・EU)の規制動向

海外では2025年前後に相次いでステーブルコインの法整備が進み、米国GENIUS法とEU MiCA規制によって、ステーブルコインは初めて本格的な金融インフラとして扱われはじめました

米国のGENIUS法

GENIUS法(Guiding and Establishing National Innovation for U.S. Stablecoins Act of 2025)は2025年7月18日にトランプ大統領の署名で成立した、米国初の連邦ステーブルコイン法です。

主な内容は3つあります。準備資産を米ドル現金または短期米国債等で1対1完全裏付けにすること、発行者を預金保険対象金融機関や銀行子会社等に限定すること、米国の銀行秘密法(BSA)の対象として明示的に組み入れることです。施行は成立から18ヶ月後の2027年1月18日、または主要規制当局が最終規則を出してから120日後のいずれか早い方。2026年4月時点では、財務省や通貨監督庁(OCC)が規則案を出している段階です。

CLARITY法の行方

もうひとつ注目される法案がデジタル資産市場の包括的な枠組みを定めるCLARITY法(H.R.3633)です。2025年7月に下院を通過しましたが、2026年4月時点では上院で未成立で、委員会マークアップが5月にずれ込む見込みと報じられています。2026年11月の中間選挙前に成立しなければ少なくとも2030年まで持ち越しになる可能性も指摘されており、流動的な状況です。

EUのMiCA規制

EUではMiCA規制(Regulation (EU) 2023/1114)のステーブルコイン部分が2024年6月30日に適用開始され、取引所(CASP)関連を含む全面適用は2024年12月30日に始まりました。MiCAはステーブルコインをART(資産参照トークン)とEMT(電子マネートークン)の2種類に分類しています。特にEMT(単一の法定通貨にペッグ)は信用機関または電子マネー機関のみが発行可能とする厳格な要件が課されます。EUで流通するステーブルコインは、この要件を満たしていることが前提です。

用語解説
  • ARTAsset-Referenced Token / 資産参照トークン

    複数の法定通貨・商品・暗号資産やそのバスケットを参照するトークン。ペッグ対象が単一でない点でEMTと区別されます。

  • EMTE-Money Token / 電子マネートークン

    単一の法定通貨(例: ユーロ)にペッグされ、決済に使われるトークン。USDCやEUR建てステーブルコインはEMTに該当します。

日本でステーブルコインを買う方法

日本の個人がステーブルコインを買う選択肢は、国内暗号資産取引所・JPYC EX・DeFi(分散型取引所)の3つです。はじめて扱う方は、本人確認や円入金が国内で完結する国内取引所から入ると手順がシンプルです。

①国内取引所で買う

2026年5月20日時点で、国内取引所のステーブルコイン取扱状況は以下のとおりです。DAI は2026年に入って国内外で取扱終了の動きが相次ぐ過渡期にあるため、最新情報を必ず公式公告で確認してください。

取引所USDCDAIUSDSSKY(旧MKR)備考
SBI VCトレード○(販売所、電子決済手段)△(2026-06-03 以降 買付停止、売却継続)USDCを日本円で直接取扱(2025年3月開始、スプレッド約0.3%。同社は国内初の電子決済手段等取引業者としてUSDCを取り扱うと公表)。USDS 取扱予定なしと明示
bitFlyer△(計画報道)○(売買のみ、送付・預入非対応)○(2025年取扱開始)DAI 2024年2月取扱開始、MKR 取扱も継続
bitbank△(上場計画報道)○(DAI/JPY 板取引)○(SKY/JPY 板取引)
BitTrade○(2025-10-29 SKY/JPY 取扱開始)
GMOコイン✗ 廃止予定(2026-06-06 サービス終了、7月初週強制売却)2026-04-30 廃止公告。MakerDAO のブランドリニューアル+ USDS 移行と流動性確保困難を理由に挙げる
Coincheck△(Circle と2024年提携、上場時期未定)○(取引所板取引 Maker/Taker 0%)2026年5月時点で廃止公告なし
Binance Japan✗ 一時終了(2026-04-07〜)

注意点:

  • 「△」は計画段階の報道で、2026年5月時点で正式上場未確認です
  • DAI 取扱は変動が早く、GMO公告も「今後、各社の判断で変更される可能性がございます」と明言しています。今後さらに廃止公告が出る可能性があります
  • USDS は 2026年5月時点で国内取引所での取扱事例なし。USDS が必要な場合は海外取引所か DeFi を経由する必要があります
  • USDT を国内取引所で正式に取り扱うケースは本稿執筆時点ではまだ確認できていません
  • 銘柄ごとの最新の取扱取引所一覧と価格推移は、トークン詳細ページ(USDC / DAI)から確認できます

グローバル動向: Binance(海外)は2026-04-09 に DAI→USDS 自動変換を完了、Coinbase は2026-05-04 に DAI 取引停止(未請求は USDS に1:1変換)。KuCoin / Crypto.com / MEXC も DAI→USDS スワップ対応済みで、業界全体で USDS への移行が進行しています。

国内取引所を使うメリットは、日本円で直接購入でき、本人確認(マイナンバーカード等)がスムーズで、税務上の履歴も残しやすい点です。

②JPYC EXで円建てJPYCを買う

日本円建てJPYCは、公式プラットフォームのJPYC EXで銀行振込による発行が中心です。KYC(本人確認)はマイナンバーカードの公的個人認証(JPKI)に一本化されており、発行・償還手数料は無料(銀行振込手数料・ガス代は別)。第二種資金移動業者としての法定上限により、1回あたりの発行・償還額は100万円までに設定されています。

用語解説
  • KYCKnow Your Customer / 本人確認

    金融事業者が利用者の本人確認を行う手続き。日本ではマイナンバーカード等の身分証で行います。

  • JPKIJapanese Public Key Infrastructure / 公的個人認証

    マイナンバーカードのICチップを使ってオンラインで本人確認する国の仕組み。郵送や書類提出が不要になります。

③DeFi(分散型取引所)で交換する

中級者以上の選択肢として、Uniswap や Curve などの分散型取引所(DEX)で、保有する暗号資産やステーブルコインを別のステーブルコインに交換する方法があります。国内取引所で購入した ETH を MetaMask などの自己管理ウォレットに出金し、DEX 上で USDC・USDT・DAI などへスワップする流れが一般的です。

DeFi で扱えば USDT を含め銘柄の選択肢が広がる反面、チェーン選択ミスやアドレス誤入力で資産喪失のリスクが常につきまといます。ガス代と DEX のスプレッド(プールごとのスリッページ)も加算されるため、少額で試し、数量と着金を必ず確認してから本番量を動かすのが鉄則です。スマートコントラクトの脆弱性や承認(approve)の悪用リスクも前提として認識しておきましょう。

用語解説
  • DeFiDecentralized Finance / 分散型金融

    中央管理者を介さず、スマートコントラクトで送金・交換・貸借を行う仕組みの総称。

  • DEXDecentralized Exchange / 分散型取引所

    DeFi上で暗号資産を交換できる取引所。代表例はUniswap・Curveで、口座開設不要でウォレットを接続するだけで使えます。

  • スリッページslippage

    注文時の想定価格と実際の約定価格のズレ。DEXでは取引量に対するプール残高が薄いほど大きくなります。

買った後の保管方法

国内取引所・JPYC EXに預けたままにするか、自分のウォレット(MetaMask等)に出金するかは、利用目的で選び分けます。日常的に使うなら取引所保管で十分です。DeFiで運用する場合は自己管理ウォレットが必要になりますが、秘密鍵を失うと資産も失うため、バックアップ管理の負担は自分で引き受けることになります。取引所保管とウォレット保管は「どちらが安全」ではなく、カストディリスクと鍵管理リスクのどちらを自分で取るかの選択です。

国内取引所を初めて使う方は、取扱銘柄・手数料・サポートを横並びで比べるのが失敗しない選び方です。

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ステーブルコインの主なユースケース

ステーブルコインの使い道は、個人利用・法人利用・クリエイター利用の3つの領域に広がっています。大和総研の整理ではユースケースは9分類にわたりますが、実用上覚えておきたいのは次の4つです。

個人: 海外送金・旅行

日本から海外の家族への送金や、海外滞在中の資金移動でSWIFTの代替として使われます。数千円の手数料と数営業日の待ち時間が、ステーブルコインなら数ドルと数分で済みます。

個人: DeFiレンディング・イールドファーミング

AaveやCompoundにステーブルコインを預けて利回りを得る運用方法です。年率数%の利回りが得られる一方、利息も雑所得として課税対象となるため、税務処理の負担と利回りのバランスを考える必要があります。

法人: 越境B2B決済

企業間の国際取引でステーブルコインを使う事例が増えています。日本では3メガバンク共同発行の円建てステーブルコインが、まず三菱商事の社内資金決済から運用を始める計画です。

海外企業の給与・業務委託報酬

海外では、従業員の給与や業務委託報酬の支払いにステーブルコインを使う企業が実際に存在します。筆者が以前所属していた海外スタートアップでは、国境をまたぐ業務委託メンバーへの報酬を USDC で支払っていました。国際銀行送金(SWIFT)だと手数料と着金日数で数営業日かかるところを、USDC 送金なら数分・ほぼ無料で着金する利便性が採用理由です。日本では資金決済法・労働基準法の関係で給与のステーブルコイン支払いは法人利用でほぼ不可能ですが、海外では実務として定着しつつある領域です。

クリエイター: 投げ銭・国際報酬

国境を越えた投げ銭や、海外クライアントからの報酬受け取りでもステーブルコインが活用されています。PayPalや銀行を経由するより速く安く、受け取ったその場でDeFi運用にも回せます。

ステーブルコインにかかる税金(日本)

ここは初心者が見落としやすいポイントですが、ステーブルコインの売買益も日本では雑所得(総合課税)として最高55%の税率がかかります。売って円に戻した時点だけでなく、他の暗号資産に交換した時点でも含み益が実現したとみなされて課税されます。

売買益の扱い

USDT・USDCを日本円で売って利益が出た場合、また別の暗号資産に交換して含み益が実現した場合、これらは雑所得として他の所得と合算して累進課税されます。税率は最大45%(所得税)+ 10%(住民税)で、合計最高55%です。

利子・利回りの扱い

DeFiレンディングで得たステーブルコインの利子も、受け取った時点の時価で雑所得として課税されます。利回りが年5%でも、税引後では大きく目減りするケースがあります。

JPYC(電子決済手段)の取扱い

一般論として、JPYCのように1JPYC=1円で常に等価交換される「電子決済手段」は、暗号資産とは法律上区別されます。単純な円→JPYC→円の取引では値上がり益が生じにくく、一般的な暗号資産の売買とは論点が異なります。ただし個別ケース(DeFi運用での利回り、他通貨との交換、海外取引所を経由した場合など)では課税が発生する可能性があります。最終的な税務取扱いは国税庁の最新見解と個別の取引内容で変わるため、税務署や税理士への確認が安全です。

ステーブルコインを始める前に知っておきたい注意点

最後に、ステーブルコインに触れる前に必ず確認しておきたい3つのポイントをまとめます。

準備資産の透明性をチェックする

法定通貨担保型を使うなら、発行体が準備資産のレポートを定期公開しているかを必ず確認してください。USDCは月次レポート、USDTは四半期ごとのattestationを公開しています。全く開示のない銘柄は避けるのが無難です。

高利回りDeFi案件の罠

極端な高利回りをうたうステーブルコイン運用の典型的失敗例が、CeFi(中央集権型)レンディング業者の Celsius Network の破綻です。最大で年18%に近い利回りを提示して数百万ユーザーと約250億ドル規模の預かり資産を集めましたが、実態は新規入金で既存ユーザーへの利息を支払うポンジ的な構造で、5億ドル超が Terra の Anchor Protocol に投資されているなど無理な運用が重なっていました。2022年7月13日に Chapter 11(連邦破産法)を申請し、ユーザーへの負債約47億ドル・貸借対照表の穴約12億ドルを残して破綻。2023年7月には米 FTC が「消費者を欺いた」として和解に至り、旧経営陣が起訴されています。

ここから得られる教訓は「銀行預金や DeFi 大手(Aave 等)と大きく乖離する利回りは、補助金・ポンジ・過剰リスクのいずれかで成立している」ことです。ラグプルや破綻のリスクを疑って、利回りの出どころが説明できない案件には近づかないのが安全です。

送金ミスで資産を失わないためのチェックリスト

ステーブルコインの送金ではチェーン(ネットワーク)の選択が極めて重要です。以下の3点は毎回必ず確認してください。

  • 送金先アドレスをコピー&ペーストで取得し、最初と最後の4桁を目視確認する
  • 送金元と送金先のチェーンが一致しているか(Ethereum上のUSDCをTronに送るとロスト)
  • 少額で試し送りしてから本送金する

アドレス確認・チェーン一致確認・少額試し送りの3点を守るだけで、送金ミスによる資産喪失のほとんどを防げます。

まとめ ─ ステーブルコインは"通貨としての暗号資産"

ステーブルコインは、価格安定性とブロックチェーンの自由度を兼ね備えた、通貨としての暗号資産です。2026年4月時点で市場規模は約50兆円に達し、米国GENIUS法・EU MiCA・日本の改正資金決済法という三大経済圏の規制が出揃ったことで、本格的な金融インフラへの移行が進んでいます。

冒頭で挙げた「ビットコインと何が違うの?」「USDTやUSDCって安全なの?」という疑問は、仕組みの3類型・主要銘柄の発行体・過去のディペグ事例を押さえれば、自分なりの判断軸が作れます。「安定するよう設計されている通貨」であって「絶対安定する通貨」ではない、という前提に立って銘柄を選ぶのがスタート地点です。

初めて触れる方は、国内で本人確認と円入金が完結する取引所で少額から試すと進めやすいでしょう。USDC なら SBI VCトレード(日本円で直接取扱、2025年3月開始)、DAI なら bitFlyer・bitbank・BitTrade・Coincheck などが選択肢となります(GMOコイン・SBI VCトレード・Binance Japan は2026年に DAI 取扱を順次終了予定なので注意)。円建てなら JPYC EX が候補です。USDS は2026年5月時点で国内取引所での取扱事例なしのため、国内で入手できる手段は限られます。

国内取引所を選ぶ際は、取扱銘柄・手数料・口座開設の手順を横並びで比較すると判断しやすくなります。

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免責事項

本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言や税務助言ではありません。ステーブルコインを含む暗号資産の売買・保有には元本割れ・発行体の信用リスク・規制変更リスク等があります。最終的な投資判断・税務判断はご自身の責任で行ってください。記事中の数値・規制状況・取引所の取扱状況は2026年4月24日時点のもので、執筆後に変動している可能性があります。

参考文献

  • DefiLlama Stablecoins — ステーブルコイン市場規模・銘柄別時価総額
  • CoinGecko API — 銘柄別時価総額・流通量
  • 大和総研 WOR(L)D ステーブルコイン — 日本の制度解説・9ユースケース
  • SMFG DX-link ステーブルコインとトークン化預金 — トークン化預金との比較
  • Global X ETFs Japan ステーブルコイン入門 — 送金コスト比較・DeFi利用データ
  • JPYC公式 シリーズB 2ndクローズ — JPYC 28億円調達
  • あたらしい経済 JPYC累計発行21億円 — 2026年4月時点の累計発行額
  • SMBCニュースリリース 2025年11月7日 — 3メガバンク共同発行プロジェクト
  • SBI VCトレード USDC取扱ページ — USDCを日本円で直接取扱(2025年3月開始、同社は国内初の電子決済手段等取引業者としてUSDCを取り扱うと公表)
  • Tether Q4 2025 Attestation — 準備資産の残高確認書
  • CFTC Press Release 8450-21 — Tether / Bitfinex 制裁
  • Harvard Law Forum: Anatomy of a Run – Terra Luna Crash — TerraUSD崩壊の詳細分析
  • CoinDesk: USDC Regains Peg — USDC SVBディペグ
  • White House GENIUS Act Fact Sheet — 米国GENIUS法成立
  • ESMA MiCA Regulation — EU MiCA規制
  • 金融庁 電子決済手段等取引業者一覧 — 国内登録業者一覧
  • よくある質問

    Qビットコインとステーブルコインの違いは何ですか?
    Aビットコインは価格が大きく変動する「投資資産」、ステーブルコインは米ドルや円などの法定通貨に価値を連動させた「安定した決済通貨」です。役割が正反対で、両者は補完的に使われます。
    Qステーブルコインは何のためにありますか?
    A主な用途は、銀行より速く安い国際送金、DeFiでの利回り運用、価格変動を避ける一時退避、インフレ通貨圏での避難先の4つです。
    Q日本のステーブルコインには何がありますか?
    A日本発の代表はJPYCで、2023年の改正資金決済法に基づく電子決済手段として2025年10月に正式版がリリースされました。加えてMUFG・SMBC・みずほの3メガバンクがProgmat基盤で共同発行を計画中です。
    Qステーブルコインは日本でどう買えますか?
    AUSDCはSBI VCトレードの販売所で買えます。DAIはbitFlyer・bitbank・BitTrade・Coincheck等で取扱継続中ですが、GMOコイン(2026年6月6日サービス終了)とSBI VCトレード(2026年6月3日買付停止)はDAI取扱を終了します。USDSは2026年5月時点で国内取引所での取扱事例なし。JPYCは公式のJPYC EXで銀行振込により発行できます。USDTの国内取引所での正式取扱は2026年5月時点ではまだ限定的です。
    QDAIはUSDSに移行するのですか?
    AMakerDAOプロジェクトが2024年8月にSky Protocolにリブランドし、新ステーブルコインUSDSが発行されました。DAIは併存していますが、1:1でUSDSにアップグレード可能です。国内ではGMOコイン(2026年6月6日サービス終了、7月初週強制売却)・SBI VCトレード(6月3日買付停止)・Binance Japan(4月7日一時終了)が相次いでDAI取扱を終了。海外でもCoinbaseが5月4日に取引停止、Binanceが4月9日にDAI→USDS自動変換完了など、業界全体でUSDS移行が進行中です。
    Qステーブルコインはリスクゼロですか?
    Aいいえ。ディペグ、発行体の信用リスク、規制変更、ハッキングの4つがあります。2022年のTerraUSD崩壊や2023年のUSDCのSVB破綻時ディペグなど、実際に「安定」が崩れた事例もあります。

    この記事の監修

    仮想通貨のトリセツ編集部
    監修仮想通貨のトリセツ編集部

    株式会社DeLT 運営

    株式会社DeLT(2023年10月設立)のメンバーで構成する編集部。金融工学とブロックチェーン実務の両面を踏まえ、コンテンツ制作・監修を行っています。

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